サークル本蔵通信

須本壮一(本そういち)主催・サークル本蔵の公式ブログです

【レポート】コミティアX4(14.11.23)の原画展報告

f:id:motozo-comm:20150213021221j:plain

皆さん様から要望がありましたので、過日になりますが、昨年2014年11月23日に参加しました「コミティアX4」についてレポートをいたします。

 

f:id:motozo-comm:20150213024201j:plain

 

 

コミティアX4って?

コミックマーケットコミケ)に代表されます、同人誌即売会の1つです。コミティアはどちらかと言えばオリジナル作品中心、かつ、一般向け(=成人向けではない)がメインコンテンツです。

・イラスト・小説の発表の他に、オリジナルグッズ、コスプレなど……いわゆる「同人活動」という意味では一番本来の形に近いかも知れません。

コミティア”X”は、コミティアのうち「特別開催扱い」で数年に一度行われます。お座敷&展示中心とされており、いつもとは違った内容になっています。

・2014年は11月23日に東京ビックサイトで行われました。

 

◆原画展開催について……

f:id:motozo-comm:20150213025541j:plain

・サークル本蔵では、コミティアX4にて「夢幻の軍艦大和」「永遠の0」で実際に描き上げた漫画の原稿を展示いたしました。

・主催・須本壮一先生の「ぜひとも、みんなにアナログの原稿を見て欲しい」という思いからです。

・当サークルでは出展区画(=ブースといいます)を4スペース分使い、合計54点の生原稿を展示いたしました。

f:id:motozo-comm:20150213035714j:plain

・通路側には、畳二畳分の巨大なポスターを配置しました。

f:id:motozo-comm:20150213035740j:plain

・壁面には原画をビッシリと敷き詰めました。

f:id:motozo-comm:20150213035810j:plain

・中央で、須本先生とスタッフが原画を解説したり、戦画・本蔵新聞・チラシなどを配布しました。

 

■アナログ原稿の意味……

f:id:motozo-comm:20150213030927j:plain

 ・現在、須本壮一先生は多くの工程をデジタル(パソコンを主に使って)で原稿を制作していますが、つい最近まで昔ながらの紙とペン、インクや定規、スクリーントーンを使って原稿を制作していました。

・今でも「手作業(=アナログ)の原稿」の意義は揺るがないと考えています。

・目にしてみると、鉛筆のアタリ線やトーンワークなど、生原稿ならではの圧倒的な情報量があり、絵画を印刷でみるのと実際に見るのと同じような感銘があります。

・このアナログは生ならではの迫力を持っています。その道に長けた漫画家、いまから未来に向かってすすもうとしているクリエイター、そして、一般参加者にとっても、実際に自らの目で確かめることは大いに得るものがあると思います。

 

■実際の展示について

f:id:motozo-comm:20150213030822j:plain

f:id:motozo-comm:20150213031859j:plain

f:id:motozo-comm:20150213031912j:plain

f:id:motozo-comm:20150213031931j:plain

f:id:motozo-comm:20150213031947j:plain

・今回、B3原稿を46点、B4原稿を8点、合計54点の生原稿をブースに敷き詰めるように展示しました。

・この展示方法を「絨緞展示法(圧縮展示法)」といいます。限られた空間になるべくたくさんの原画を展示して、一般参加者にできうるかぎりいっぱい見ていただこう……という意図からです。

・また、須本壮一先生とスタッフが開始から終了まで常駐し、作品についての解説をすることで、さらに原稿に隠された秘密やヒケツなどをお話することも出来ました。

 

■生原稿を見ることで分かること(例1)

f:id:motozo-comm:20150213033102j:plain

f:id:motozo-comm:20150213033122j:plain

・生原稿を見ることで、漫画の原稿というものがどういうものかを、身をもって体感できます。例えば上の原画の1コマに書かれた零戦ですが、おおよそ500円玉と同じサイズです。

・500円玉のサイズに、密度を高めて零戦を丁寧に描き込むことはなかなか一朝一夕でできることではありません。B3見開きの大迫力の原稿も難しいのですが、こういう何気ないような一頁に注がれた労力や技術を目にすることで、漫画原稿を手書きすることの実際を体感して欲しいと思います。

 

■コミックスでは見ることの出来ない原稿の機微(例2)

f:id:motozo-comm:20150213033626j:plain

・この原稿も、コミックスで見ると何気ない1コマですが、実は艦橋頂上部あたりの輝いているように見える部分の周囲(効果線といいます)は、トーンを貼った後に定規で1本1本丁寧に削られています。1本の線が360度密集することで、フラッシュ効果が生まれています。

・こういう大変な作業は、現在、パソコンによるデジタル製作ではかなり楽になりましたが、手描きで、失敗せずに、かつプロのクオリティでこなすことは、並大抵の技術ではありません。

・実際に漫画を書いてみたい人にも、書いている人にも、また、漫画が好きな人にも、生原稿を目にすることで新たな発見があることでしょう。

 

 ■当日の開催の様子と参加者の反応……

・(用語解説)コミケコミティアでは、作品を発表する側、作品を見に来る側、どちらも「イベントに参加している人」ということで「参加者」と呼ばれています。

・(用語解説)このうち、作品を発表する側を「サークル参加者」、見る側を「一般参加者」、作品を一般参加者に有償または無償で提供することを「頒布(はんぷ)」といいます。

f:id:motozo-comm:20150213034517j:plain

f:id:motozo-comm:20150213034526j:plain

・当日は大入り満員となりました。

・のべで約1000人程度の一般参加者が原画展を興味深く観覧しました。中には実際の生原稿の迫力に上から下まで、左から右まで、たっぷりと隅々までみていかた方もいらっしゃいました。

・また、須本先生の友人であるプロの漫画家さんも多数いらっしゃり、玄人の目でみても原稿が素晴らしいものだとの感想を頂きました。

・あまり宣伝する期間もなかったのですが、ほんとうに大盛況で、原画展初開催に大きな手応えを掴むことが出来ました。

 

■頒布物について

f:id:motozo-comm:20150213035300j:plain

・当日は、実際に展示した原画(抜粋)を原寸サイズで掲載した同人誌「戦画」を頒布しました。B4サイズで2500円という巨大で重いものでした。

・サインつきのコミックスセットも頒布しました。(コミティアでは本人が出品する場合は商業誌の頒布が認められています)

・また、今回は特別に「本蔵新聞」を制作し、先着で無料配布いたしました。

 

■成果について

 f:id:motozo-comm:20150213035930j:plain

・当日はこちらの予想を遙かに超えて、大変ご好評をいただきました。

・けっこう高価な同人誌「戦画」も原画を持ち帰る……という意味あったのでしょうか、十分な数を用意しましたが、完売となりました。

・コミックスセットも全て完売し、頒布物がなくなるほどの盛況となりました。

 

 

■原画展は今後も開催します

・ということで、大変活気のある原画展の初開催は無事終了しました。

・今後は3月28・29日OTAKU SUMIT(幕張メッセ)で原画展を開催する予定です。

・また、同人即売会の枠を越えて原画展を開催していこうと考えております。

・もしも、「私の所でも原画展を開催したい!」ということであれば、一度ご連絡ください。

 

 

 

以上、昨年開催されましたコミティアX4の報告でした。

 

<by 事務局 酒井>